「生活防衛資金」という言葉を聞いたことはあるけれど、
- 何かあったときのためのお金、っていうのは分かる
- でも、結局いくらあればいいのかよく分からない
- 今の自分の貯金が少なすぎる気がして、考えるのがちょっとこわい
こんな感じで、なんとなくモヤモヤしている人も多いと思います。
このブログではこれまで、
- 給料明細をちゃんと見てみる日
- 固定費を一度だけ見直してみる日
- NISAとiDeCoを「意味」から整理してみる日
- 家計簿が続かなかった人向けの「超ゆるいお金の記録」
など、「今と将来のお金の土台」を少しずつ整える話をしてきました。
今回は、その流れの延長として、
もし明日いきなり収入が止まったとしても、「とりあえず◯ヶ月は暮らせそうだな」
と、自分の中でざっくりイメージできる状態を目指すための“生活防衛資金”の決め方を、一緒に整理してみます。
生活防衛資金って、そもそも何のためのお金?
生活防衛資金は、一言でいうと
「収入が一時的に止まったり減ったりしても、 しばらく生活を守るために取っておくお金」
です。
たとえばこんな場面をイメージすると分かりやすいかもしれません。
- 体調を崩して、一時的に働けなくなってしまった
- 会社の業績悪化で、ボーナスが減ったり、残業が激減した
- 転職活動で、次の仕事まで少しブランクがあいた
- 家や家電の急な故障で、まとまったお金が必要になった …など
「絶対に起きる」とは限らないけれど、ゼロではないリスクに対して、
「まあ、もしそうなっても、しばらくは何とかなるか」
と思えるだけの余裕を作っておくためのお金です。
ここでポイントなのは、「老後資金や、将来の大きな夢のためのお金とは別で、“生活そのものを守るためのクッション” というイメージ」
で考える、ということです。
よくある「◯ヶ月分」の目安を鵜呑みにしなくていい理由
生活防衛資金の話を調べると、
- 会社員なら「生活費の3〜6ヶ月分」
- フリーランスなら「6〜12ヶ月分」
という目安をよく見かけます。
もちろん、これはこれで一つの目安なのですが、
- 家族構成(独身か、子どもがいるか)
- 実家が近くにあるかどうか
- 固定費の大きさ(家賃・ローン・保険など)
- 仕事の安定度(業界・会社の状況)
によって、「安心できるライン」はかなり変わります。
たとえば、
- 実家暮らしで、家賃ゼロ/親と同居
- 配偶者の収入もある
- 最悪の場合は、しばらく実家に帰る選択もある
という人と、
- 一人暮らしで家賃が高め
- 住宅ローンや車のローンがある
- 養う家族がいて、自分の収入がメイン
という人では、必要なクッションの厚みが違って当然です。
なので、このブログでは
「みんな3〜6ヶ月貯めるべき」
ではなく、
自分の生活や性格に合わせて、“とりあえずの目安”を1つ決める
というところまで行ければ十分、と考えています。
ステップ1:自分の「ざっくり月の生活費」を知る
生活防衛資金は、基本的に
「月の生活費 × 何ヶ月分か」
で考えます。
ここでいう“月の生活費”は、細かく家計簿をつけなくても大丈夫です。
1. 固定費をざっくり足す
すでに固定費を一度見直した記事を読んでいる方は、そのときのメモを使ってもOKです。
- 家賃(または住宅ローン)
- スマホ・通信費
- サブスク(動画・音楽・ジムなど)
- 保険料
- その他、毎月ほぼ同じ金額が出ていくもの
をざっくりでいいので足してみます。
2. 変動費は「ざっくりでいい」
- 食費
- 日用品
- 交際費
- 趣味・娯楽費 など
毎月バラつく部分は、
「だいたい◯万〜◯万円くらいかな?」
くらいの幅で考えればOKです。
たとえば、
- 固定費:12万円
- 変動費(だいたい):8〜10万円
なら、
「自分のざっくり月の生活費は、20〜22万円くらい」
とメモしておきます。
ステップ2:「何ヶ月分あれば、ひとまず安心できそうか」を言葉にしてみる
次に考えたいのは、
「もし収入がしばらく減ったり止まったりしても、 どれくらいの期間は“まあ何とかなるか”?」
という、自分なりの感覚です。
ここで、いきなり「6ヶ月分!」と完璧を目指す必要はありません。
目安を考えるヒント
たとえば次のような観点があります。
- 実家や家族のサポートが期待できるか
- 仕事が急にゼロになる可能性がどれくらいありそうか
- 「最悪これくらいまでは生活レベルを落としてもOK」というライン
- いまの貯金額とのギャップを見たときの、心のしんどさ
これらをざっくり考えたうえで、
- ミニマムライン(最低限これくらいあれば…と思える月数)
- 安心ライン(ここまであれば、かなり気がラクになる月数)
の2つを、数字で書いてみるのがおすすめです。
例:
- ミニマムライン:2ヶ月分
- 安心ライン:4〜5ヶ月分
のようなイメージです。
ステップ3:今の自分の「防衛力」をざっくり把握してみる
ここまで決めた
- 「ざっくり月の生活費」
- 「自分のミニマムライン/安心ライン」
をもとに、今の自分の貯金を当てはめてみます。
例)
- 月の生活費:20万円
- ミニマムライン:2ヶ月分(40万円)
- 安心ライン:4ヶ月分(80万円)
- 今の貯金:25万円
だとしたら、
「今の自分の“生活防衛力”は、ざっくり1ヶ月ちょっと分くらい」
というイメージになります。
ここで大事なのは、
- 「全然足りない…」と自分を責めることではなく、
- 今の立ち位置が分かっただけでも大きな一歩 だ、と受け止めることです。
地図と同じで、
「今どこにいるのか分かる」と、「どこに向かうか」を決めやすくなります。
ステップ4:「いきなり満額」ではなく、“目標までの階段”を決める
たとえば先ほどの例で、
- ミニマムライン:40万円
- 安心ライン:80万円
- 今:25万円
だとしたら、いきなり
「よし、あと55万円貯めるぞ!」
と気合でなんとかしようとする必要はありません。
それよりも、
- 「まずはミニマムライン(40万円)まであと15万円」
- 「1ヶ月あたり◯円なら、現実的に回せそうか?」
という単位に分解して考える方が、現実的です。
具体的には
- 「ボーナスから◯万円だけ、“防衛資金用”として取り分ける」
- 「固定費の見直しで浮いた◯円を“防衛資金”に回す」
- 「副業や残業代などの“増えた分”のうち、何割かを防衛資金に回す」
など、すでに書いてきた他の記事とつなげて考えると、
「収入を増やす/支出を減らす」 → 「その一部を“防衛力アップ”に回す」
という流れが見えやすくなります。
生活防衛資金があると、チャレンジもしやすくなる
生活防衛資金は、「守り」のためのお金です。
でも、守りがある程度整ってくると、
- 転職や部署異動
- 副業へのチャレンジ
- 学び直しや資格取得
- しばらく残業を減らして体調を整える選択
など、「攻め」や「調整」の選択もしやすくなります。
このブログ全体で伝えたいのは、
お金の不安をゼロにすることではなく、「自分で考えて選べる余白」を少しずつ増やしていくこと
です。
その意味で、生活防衛資金は
「自分で選ぶための土台を少し厚くする」
ためのツールの一つだと考えています。
今日の一歩:自分なりの“ざっくり目安”を書いてみる
今日の一歩としては、いきなり貯金額を増やす必要はありません。
まずは、
- 紙やスマホのメモに、
- 「ざっくり月の生活費(◯万〜◯万円くらい)」
- 「ミニマムライン(◯ヶ月分)」
- 「安心ライン(◯ヶ月分)」を書き出してみる
- 今の貯金額を横にメモして、
- 「今はだいたい◯ヶ月分くらいだな」と、現状を一言で書いてみる
ここまでできれば十分です。
そのうえで、
- ボーナスのとき
- 固定費を1つ見直せたとき
- 副業や残業代など、いつもより収入が増えたとき などに、
「このうち◯%だけ、“生活防衛資金”に回してみようかな?」
と、少しずつ“防衛力”を厚くしていければOKです。
